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「Azure Websites で作るスケーラブルな PHP アプリケーション」を GoAzure 2015 で発表してきました

この記事の所要時間: 430

Azure コミュニティの一大イベント GoAzure 2015 にて、「Azure Websites で作るスケーラブルな PHP アプリケーション」という発表を行ってきました。

Azure Websites

セッションでもお話したのですが、テーマは、もう一つあり、それは「LAMP(LAPP) ユーザが使う Azure Websites」でした。

Azure は、マイクロソフトのサービスなので、どうしても Windows に最適化されているイメージがあったのですが、普段 Mac で開発して、Linux にデプロイして、運用している人間でも、興味深いサービスであることを伝えようと考えました。

発表資料

発表資料は、こちらです。

発表冒頭で、Azure Websites を使っている方に挙手頂いたのですが、6-7 割の方から手が上がりました。Azure のイベントなので、当然といえば、そうなのですが、利用されているのが多いのだなと実感しました。

PHP で PaaS を使う

以前から、PHP を公式にサポートする PaaS はいくつかあったのですが、海外のサービスが多く、ドキュメントも英語版のみで、日本ではあまり使われていない印象でした。

PaaS の雄である Heroku が、2014 年に正式に PHP に対応したことで、今後、PHP でも PaaS を使うことが広がっていくでしょう。(Heroku も公式サイトは、英語ですが、日本語のブログ記事や書籍があります。)Heroku は、PaaS として非常によく出来ているのですが、残念ながら、日本国内にサーバがありません(2015/01/19現在)。

その点、Azure Websites は、日本国内(東日本と西日本)にサーバがあり、日本語のドキュメントもあるので、PHP で PaaS を使うなら、まずは試してみる価値はあります。

Azure Websites + PHP + New relic が利用できない

発表では、入れ忘れたのですが、困ったことを一つ。

Azure Websites は、Windows Server なので、Windows 版 PHP 用の DLL が無い拡張は利用することができません。主要な拡張は問題無いと思うのですが、私が触った範囲では、一つだけこの問題に当たりました。

それが、New Relic の PHP 拡張です。

Azure 自体は、New Relic と連携ができ、.NET 環境では利用できるようなのですが、New Relic の PHP 拡張は、Windows 版が無いため、利用することができませんでした。

New Relic for PHP の FAQ でも現在は対応されていないことが明示されています。New Relic は便利なので、ぜひ対応してもらいたいところです。

https://docs.newrelic.com/docs/agents/php-agent/getting-started/new-relic-php-faqs#windows

アーキテクチャを明示して欲しい

発表資料には入れていますが、一つの Websites 内にある各インスタンスでは、ストレージ(D ドライブ)が共有されているようです。

検証した結果では、おそらくそうであろうということは分かっていましたし、そうであるという情報も見聞きすることができました。

ただ、最後の裏取りとして、公式のドキュメントで、このことが明示されている箇所を探したのですが、残念ながら、見つけることができませんでした。

PaaS だから、裏側を知らなくても良いだろう、という考え方なのかもしれませんが、アプリケーションを作る上でも、構成を組むにしても重要な部分なので、はっきりと公式サイトで明示して欲しいと思いました。

実際、私自身も検証の段階で、このことを知らずに、想定したような結果が出ずに首を傾げるということを経験しました。

せっかく、共有ストレージのおかげで、スケールアウトが容易という特徴があるのですから、ちゃんと明示した方が双方にメリットがあるのではないでしょうか。

追記:2015/01/24
こちらの記事で共有ストレージであることが記載されているようです。https://msdn.microsoft.com/ja-jp/magazine/dn786914.aspx

さいごに

冒頭でも触れましたが、Azure は、以前は「Windows Azure」という名称だったため、どうしても「Windows ユーザのためのもの」という印象がありました。ただ、今回 Azure Websites を検証してみたところ、あくまでマイクロソフト社が運営しているというだけで、クラウドサービスの一つであるという認識に変わりました。

OSX や Linux 上でも動くコマンドラインツール(npm でインストール)があり、Azure Websites では、Git でデプロイができます。デプロイ時に任意のスクリプト(Bash)を実行することができるので、Composer やフレームワークでのマイグレーションなども自動化できます。

上手くやれば、わりと活用できるシーンはあると思うので、今後も使ってみたいと思います。

無料枠もあるので、まだの方は、ぜひ一度試してみてください。

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