- 2012-12-27 (木) 16:30
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勉強会について考えているもやもやを。
私は、主にPHP界隈の勉強会やカンファレンスを開催したり、運営側として関わったりしているのですが、勉強会を開催することについて最近もやもやと考えています。
勉強会に色々な関わる人(開催、運営、発表、参加などなど)からの意見も聞いてみたく、2012年の終わりに一度吐き出しておこうと思います。勉強会についていろいろなコメントを頂けると嬉しいですm(_ _)m
はじめに、ここでいう「勉強会」というのは、オープンソース界隈で良く開催されている有志がボランティアベースで運営されているものを指します。有料セミナーや別カテゴリのものは想定していません。
また、自分が開催する勉強会について書いていますので、他の方が開催されている勉強会について指摘する意図は一切ありません。
勉強会なんてやらなくても良い
本業が忙しくなると、ついつい勉強会の開催が億劫になってきます。勉強会を開催するには少なからずのコスト(主に時間)がかかります。会場手配、発表者集め、調整、参加募集、当日運営、発表などなど。本業やプライベートが忙しくなってくるにつれて、少しづつ自分が勉強会を開催する、運営することが減って来ました。
以前は勉強会をやりたい、やらなきゃという気持ちが強くあったので、できるだけ時間を絞り出して開催していたのですが、少し熱が落ち着いてきて、開催しない期間が長くなると開催しないことに慣れてきて、さして気にならなくなってきました。
勉強会なんてやらなくても日常生活、業務には何の支障も無いんだなと思うようにもなりました。
おそらく勉強会に一番思い入れがあるのは主催者です。その主催者が「無くても良い?」と思うくらいなので、参加する人にとってもそうなのかもしれない、そもそもやる意味があるの?と考えることが増えてきました。
まだ今は、「開催しないんですか?」と声をかけて頂いたり、スタッフとしてお誘いがあったりで運営に関わったりはするのですが、以前に比べると気持ちが離れて行っているのは確かです。
なぜ勉強会をはじめたか?
そもそも勉強会を開催しはじめた理由は、関西でPHPに関する勉強会がほとんど無かったからです。
勉強会を初めて開催した2007年頃は、関西ではPHPに関する勉強会はほとんど開催されていませんでした。(それ以前は頻繁に開催されていたのですが、ちょうど誰もやっていない時期でした。)
当時は東京で活発にPHPの勉強会が開催されていたので、わざわざ東京まで通っていました。まだ Ust による配信や slideshare などによる資料共有が活発では無かったので、今より勉強会を生で参加する意義が大きかったですし、なにより勉強会というものの魅力に取り憑かれていました。
そんな勉強会をやはり地元関西でやりたいと思い、勉強会を開催するようになりました。散発的な開催でしたが、多くの人に集まって頂き、それなりに充実感がありました。関西でPHPというキーワードで交流できる場ができた、それを作ることができたというのが嬉しかったのを覚えています。
何度かの勉強会開催を経て、2011年に「PHPカンファレンス関西」を開催します。東京で行われていたPHPの大型イベント、PHPカンファレンスを関西で!という想いが、多くの人の協力のおかげで形になりました。これで自分にとって勉強会を開催するということに一つの区切りが付きました。
そして2012年の現在では、関西でもPHP関連の勉強会が開催されています。関西PHP勉強会の他には、関西PHP初心者勉強会、FuelPHP勉強会、そしてWordBench大阪、神戸、WordCampなどです。これはとても素晴らしいことだと思います。
以前は正直、義務感で開催することもあったのですが、現状は無理してまでやらなくても良いという状況になりました。
勉強会の目的
勉強会の目的ってなんでしょう。
単純に楽しい、技術的な話を聞いてみたい、色んな人と話してみたい、色々とありますが、あらためて見つめなおすと、やっぱり一番の目的は「勉強する」「学ぶ」ということだと思います。
これは学校のように知識を詰め込むような勉強ではありません。
発表を聞くのも、色んな人と話すのも学びになります。発表してみると「他人にどう伝えるか?」といった、技術とは異なる学びも得られます。楽しい雰囲気で学べるというのはとても良いことです。
勉強会を開催するようになると、ちょっと別の角度からの目的も出てきます。もっと人を多く集めたい、もっと楽しんでもらいたい、もっと色んな人に注目されたい、、、。どれもこれまである程度は考えていたことですし、悪いことだとは思いません。勉強会開催の目的がそこにあるのならそれも良いでしょう。
ただ、いま私が考える勉強会の目的はやっぱり「学び」です。そして勉強会は、参加した人全員(開催者、発表者、参加者全員)で学び合う場にしたいと思っています。
セミナー型勉強会
発表者が前に立ってスライドを映しながら発表する、参加者はそれを聞く。
勉強会ではお馴染みの形式です。
これがスタンダードな勉強会の形であるとずっと思って来ました。この形式なら会場のキャパまでは参加者数も増やせるのでスケールしやすい方法です。また参加者はただ聞くだけで良いので、気軽に参加できるというメリットもあります。
この形式は全くもって問題無いのですが、ともすれば、発表者=教える人、参加者=教わる人という構図となり、発表者から参加者へ一方通行で終わる形になりがちです。
発表者としても人前で話すだけで得られる学びはありますが、やはりそれを聞いた人からのフィードバックがあるとより深く考えることができ、さらなる学びがあります。
参加者としても漫然と話を聞くよりもフィードバックを返すために思考を張り巡らす方が、より学ぶが得られるのではないでしょうか。
こういった「教える」勉強会はあっても良いですし、自分でも何度も開催してきました。今後もきっと開催すると思います。ただ、これだけが勉強会ではないので、もっと色んな形を模索したいです。
懇親会が本番?
勉強会では良く言われるフレーズです。
「懇親会が本番だよ、だから懇親会に来いよ!」
懇親会は慣れていない人にとっては参加しづらいので、参加しやすいように言っているということもあります。また懇親会の場ならではの濃い話が面白いというのもあります。これはこれで確かに納得できる部分はあります。
一方で、それなら勉強会なんかやらずに懇親会だけやれば良いんじゃないかとも思います。
勉強会を開催することに比べたら、懇親会だけの方がよっぽど楽です。(ただの飲み会なので)
今後やりたい勉強会
こうして悶々と考えている中、色々な勉強会に参加してみて得られたヒントから自分のやりたい勉強会が何となく見えてきました。
まだ漠然としていますが、こんな勉強会をやりたいと思います。
発表者のいない勉強会
「PHP5.5を触ってみる」「BDDでテストを書いてみる」「あのサイトのあの機能を作ってみる」「あえて別の言語を触ってみる」などテーマだけ決めて集まります。あとはみんなであーだーこーだ言いながら、実際にやってみる。そしてそれを共有する勉強会です。
事前準備は場所をおさえるのとテーマを決める程度です。
時にはそのテーマに詳しい人に来てもらって発表してもらうのも良いですが、できるだけ負担無く、みんなで考えて、意見交換して、手を動かして学ぶ形が望ましいです。
これまで参加した勉強会では、読書会やFuelPHP勉強会 大阪が近い感じです。先日のScala関西ビギナーズ 第1回の演習などもそうですね。
参加者全員が発表する勉強会
逆に全員が発表者になる勉強会です。全員が自分の発表内容を考えてきて、それを披露します。勉強会といっても様々なバックグラウンドを持つ人が参加するので、それぞれの視点での発表はぜひ聞いてみたいです。全員発表するので、初めて発表する人も気軽にやりやすいと思います。
これまで参加した勉強会では、関西アンカンファレンスや俺聞けなんかがそうですね。あと以前東京でやっていたPHP懇親会はまさにこれですね。
何をやりたいのか?
勉強会なんて無理してやる必要はありません。義務感に駆られてやるものでもありません。無くなったところで、困る人もそんなにいません。
だからこそ、もしやるなら自分がやりたい勉強会をやった方が良いです。
上であげた形式の勉強会だと10人〜20人くらいで開催するのが理想でしょう。参加者数を増やすのが目的なら不向きかもしれません。
勉強会は相互扶助でこそ成り立つものだと思います。みんなが発表者で参加者で、一緒に学び合いたい、これが今自分がやりたい勉強会です。
みなさんからのコメント
多数のコメントありがとうございます!せっかくなので、togetterにまとめたので、こちらもぜひ!
「勉強会なんてやらなくても良い」へのコメントまとめ
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「勉強会なんてやらなくて良い」へのコメントありがとうございました!