Home > Advent Calendar 2013 | 仕事 > エンジニアは独立した方が良いのか?

エンジニアは独立した方が良いのか?

この記事の所要時間: 616

Shin x blog Advent Calendar 2013 の3日目です。

2521944637_18183d125f

エンジニアを目指して新卒で就職して早5年。とにかく仕事を覚えたい、先輩に追い付きたい、スキルを上げたいとがむしゃらに開発に没頭してきた。そろそろ仕事はひと通りこなせるようになり、自分がリーダーとして参加するプロジェクトも増えた。

充実した毎日ではあるが、気が付くと自分が会社の中では一番のエンジニアとなっていた。

自分では分かっている。会社の中では一番かもしれないが、外に目を向けると、自分よりすごいエンジニアは山といることを。

「そろそろ、次に進む時なのかもしれない。」

転職すべきなのか、はたまたいっそのこと独立して起業すべきなのか。


といった事は、わりと良くある風景なんだと思います。

起業してかれこれ13年、なんとかやってこれたので、こういった状況の人から相談を受けることがあります。そこで、私自身がこれまでやってきた中で感じてきたことを書いてみたいと思います。

なお、ここでの起業はフリーランサーや一人法人で、開発などの実務を自分で行うような形態を想定しています。

起業して良かったこと

まず、起業して良かったこと。

私の場合、そもそも「独立したい」という想いが出発点だったので、それが叶って、なんとか生活できているというのは、目標が達成できたという点で良かったです。

実際にやってみて感じたのは、全てを自分で決めることができるというのは大きなメリットです。

どの仕事を受ける、どんなサービスを作る、どの技術を学ぶ、どこで働く、いつ働く、いくら稼ぐなど多くのことを自分で決めることができます。

これは何でも思い通りにできる、ということとは少し違います。

収入を自分で決められるにしても、来月から月収1億円というわけにはいきません。

置かれた状況で選択できる方法は限られてはきますが、それらの最終的な決定は、自分で、できるということです。

例えば、受託開発にしろ、その仕事を受けるか否かは自分で選択できるわけです。もちろん、仕事が無い状況では、どんな仕事でもやらないといけないかもしれません。そういった状況においても、経済状況など含めて、自分でやるという選択ができるわけです。(反対に言うと、やらないという選択もできる)

もちろん、自分のやり方でその選択肢を増やすこともできるでしょう。

自分の行動は、そのあと何かしらの結果として返ってきます。その結果を自分で受け止められるのなら、どのような決定を下すのも自分次第というわけです。

このあたりの自由度の高さは、やはり自分には合っていると思っています。


あとは、「稼いでいる」という感覚を肌で感じることができます。

どのように売上が立って、それがどのように自分の収入となっていくかということを身を持って感じることができるので、仕事に対して前向き(前のめり)の姿勢になります。

いまやっている仕事は、誰かにやらされていることではなく、自ら選んでやっているわけで。

この「稼ぐ」という感覚は、自分で食べる野菜を畑に収穫しにいくような、晩御飯のおかずの魚を釣りに行くような、ドラクエでこつこつレベル上げをするような、なんかしっくりくる表現が思いつかないのですが、なかなか楽しいものです。

別の視点で見ると、自分が立てた仮説を実践してみる自由があるという感じでしょうか。その結果、日々食べる稼ぎを得るような。

まあ、良い点としては「自由」「稼ぐ感覚」でしょうか。

起業して良くないこと

では、反対にあまり良くないことです。

まずは、全部自分でやらないといけないということですね。

なんだ、良かったことと同じじゃないか、と言われそうですが、実際そうです。

本当に全部やらないといけません。

営業から経理、備品の購入、請求書発行、税務申告、事務所の掃除、電話の応対、もう仕事中に関わること全てを自分でやる必要があります。

スタッフを雇用したり、アウトソースするという方法もありますが、その選定、報酬の支払は自分でやらないといけません。

一人でフリーランスとしてやる場合は、一つ一つはそんなに大変なことではないです。ただ、本業以外にこういったことが、うすくですが、ずっとのしかかって来るので意外に時間を取られます。

一日、バタバタと動きまわってきて、仕事した気分になってたけど、実は1円も売り上げていないなんてことがあったりします。

個人事業主の頃は、全て自分でやっていましたが、法人化してからは、スタッフに委任したり、アウトソースするようになりました。

とくに税務関連は、1年目は自分でやって感覚を掴んでおくのは良いと思いますが、翌年以降は専門家に依頼して、本業に専念した方が良いです。これは本当に時間取られます。


次は、収入の保証が無いということです。

当たり前ですが、売上が無いと自分への収入もありません。

ただ毎日暮らしていくだけでも実は結構お金が必要です。体感した人なら分かると思いますが、無収入で暮らしてみると、びっくりするくらいお金が無くなっていきます。

このプレッシャーはわりとしんどいものがあったりします。

金銭的な余裕が無いと正常な判断ができなかったりもするので、うまくやりくりしていかないといけないですね。


あとは、コミュニケーション不足になりがちです。

会社であれば一緒に働いている人がいるので、良いにせよ悪いにせよ何かしらの刺激を受けて日々を過ごすことになります。

ただ一人でやっているとこれが圧倒的に不足してきます。

「一人が好きなんだ」

まあ、それはそれで良いのですが、他者からの刺激が無いと自分にはあまり関心が無い話題は入ってこなくなり、新しい情報をキャッチアップする機会が減ってきます。

インターネットで情報収集もできますが、どうしても自分が見たいものだけ見る傾向になりがちなので、やはり定期的に人と会って情報交換をする機会は作っておいた方が良いです。

そう考えると技術系勉強会などで、自営の人が多いのは、こういった刺激を受ける場を欲しているからなのかもしれません。

エンジニアは独立した方が良いのか?

何を目的に独立したいと思っているのか次第、ですね。

「好きな技術を使って、もっと技術に没頭したい人」

この目的が多いですね。上昇志向があって、より上を目指していこうという人です。こういった人は、企業に属する方をおすすめします。理由は、自営ではなかなか技術だけに没頭するということは難しいからです。また、企業に属した方がより高いスキルを持った人と一緒に働ける可能性があります。そういった高いレベルの環境に身を置くには企業に属する方が良いです。

「好きな時間に起きて、自分のペースで自由に仕事したい人」

縛られずに自分のペースでやりたいという人です。やってみると想像よりは自由では無いと感じるかもしれませんが、一度独立してやってみるのも良いかもしれません。ただ、上手くいかなかった場合のバックアッププランは考えておきましょう。退職後、失業保険が出ている間に独立後の生活を疑似体験してみるのも手です。

「うるさい、とにかく独立したいんだ!」

はい、頑張って下さい。応援しています。独立する人はわりとこういう人だったりします。他人に言われて止めるくらいならやらなくても良いですし、何を言われてもやってみたい人はチャレンジするものです。

まあ、どちらを選んでも大事なのは、その後ですから。

Pocket

follow us in feedly

Home > Advent Calendar 2013 | 仕事 > エンジニアは独立した方が良いのか?

検索
フィード
メタ情報

Return to page top