- 2013-12-04 (水) 14:00
- Advent Calendar 2013 | PHP
Shin x blog Advent Calendar 2013 の4日目です。
6分で分かるべく最近のPHP事情をざざざっとご紹介します。
過去のエントリはこちら。
6分でわかる最近のPHP ― 2012夏
5分でわかる最近のPHP – 2011夏
1. PHP 5.5 リリース
PHP5系の新しいバージョンとして、PHP 5.5 が 2013年6 月にリリースされました。
新しい機能としては、ジェネレータや finally 句の、パスワードハッシュ関数、OPCache などが追加されています。
2013/12/04 現在では、5.5.6 が最新版となっています。
PHP5.5 のコードキャッシュは APC から Zend OPcache へ
PHP: PHP 5.4.x から PHP 5.5.x への移行 – Manual
PHP 5.5の新機能:さっくり理解するPHP 5.5の言語仕様と「いい感じ」の使い方 (1/2) – @IT
PHP 5.5 を yum でインストールするなら、remi もしくは Webtatic リポジトリでインストールすることができます。
CentOSにPHP5.5をインストール – Qiita キータ
PHP 5.5 on CentOS/RHEL 6.4 and 5.9 via Yum | Webtatic.com
ちなみに次期バージョンの 5.6 の新機能については、こちらにまとめられています。
2. PHP 5.3 EOL
PHP 5.5 リリースに合わせて、二つ前のマイナーバージョンである PHP 5.3 は EOL を迎えました。
5.3 は、今後セキュリティフィックスのみを行うメンテナンスフェーズに入っており、約 1 年経過した後はセキュリティフィックスも停止する予定です。
最終バージョンは 2013/7 にリリースされた 5.3.27 です。
5.3 は、名前空間やネイティブクロージャなど、現在の PHP へ続く機能が実装されたエポックメイキングなバージョンでした。EOL となったのは名残惜しいですが、いま 5.3 を使っている方は、5.4, 5.5 へのバージョンアップを行いましょう。
( なおパッケージベンダが 5.3 のパッチサポートを行う場合は無理に上げる必要はありません。)
PHP 5.3.27 Released – PHP 5.3 Reaching End of Life
3. php.net リニューアル
PHP 公式サイトである php.net がリニューアルしました。
いまどきのモダンなデザインに変わっています。個人的にはまだ違和感がありますが、慣れの問題ですかね。
久しぶりに開くとあれ?となるので、心の準備を。
4. Vagrant
PHP というわけではないのですが、PHP での開発環境構築ツールとして、Vagrant が注目を集めました。
Vagrant は、仮想サーバの構築、起動などコマンドで実行できるツールです。
利点としては「環境を仮想マシンに閉じ込める」「環境構築を自動化」「構築手順の共有」あたりですね。
受託開発などで複数の環境が必要な人や、チームで開発をしていて環境を統一したい場合などに特に有効です。
もう XAMPP / MAMP はいらない!
Vagrant で作る PHP 開発環境
Vagrantで作るPHP開発環境[実践編]をPHPカンファレンス2013で発表してきた
PHP開発環境のサンプルVagrantfile
こちらではPHP 開発環境構築に使える Vagrantfile がまとめられています。
PHPの開発に使えるVagrantfileのまとめ | Engine Yard Blog JP
5. Google App Engine の PHP サポート
Google の PaaS である Google App Engine で PHP がサポートされました。まだプレビュー版ではあるのですが、PHP で Google App Engine アプリケーションが書けるようになりました。
PHP 5.4 が動作するようで、公式サイトでは WordPress を動かすチュートリアルが掲載されています。
最近流行の Immutable Infrastructure の文脈でも PaaS が再評価されているので、Engine Yard や Heroku と共に、PHP アプリケーションを公開する環境として面白そうです。
Google App Engine — Google Developer
6. フレームワーク事情
みんな大好きフレームワーク事情など。
Symfony 2.3 の LTS リリース
Symfony 2.3 が LTS としてリリースされました。
LTS とは Long Term Support の略で、リリースから3年間はバグフィックスが、さらにもう1年間はセキュリティフィックスが行われます。ライフタイムが長いアプリケーションでは、こういった長期サポートが表明されていると安心して使えますね。
Symfony 2.3.0 – 最初のLTS(長期サポート) – がリリースされました | 日本Symfonyユーザー会
Laravel
今年、新たに注目を集めたフレームワークの一つで、Symfonyコンポーネントを利用したフルスタックフレームワークです。
PHP 5.45.3( tzt さん、ご指摘ありがとうございました! ) 以上が対象バージョンとなっており、ビルトインサーバによる開発や Composer 対応など最近の PHP らしいスタイルとなっています。
Symfony コンポーネントを利用していますが、その複雑さは上手くラッピングしているので、オブジェクト指向開発にあまり馴染みが無い人でも入りやすいのが特徴のようです。
Welcome! – Laravel PHP Framework
Laravel Advent Calendar 2013 – Qiita キータ
Phalcon
こちらも今年注目を集めたフレームワークです。
Phalcon は PHP 拡張として実装されており、フレームワークのソースコードも C で書かれています。つまり、実行速度の速さが大きな特徴です。
PHP 拡張なので、そもそも拡張がインストールできる環境で無いと使えなかったり、バージョンアップの際に Web サーバや php-fpm の再起動が必要、フレームワークのコードが読みにくいなどのデメリットは考えられますが、かなりキャラの立ったフレームワークですので、フレームワーク自体の実行速度がボトルネックになっている環境では大きな武器になるでしょう。
High performance PHP framework(Phalcon 公式)
PHP Phalcon 噂の爆速フレームワーク、はじめの一歩。
爆速フレームワーク!! Phalcon PHP Framework – Qiita キータ
書籍
今年もいくつかの PHP に関する書籍が登場したのですが、その中で2冊ほど。
PHPエンジニア養成読本
今どきのPHPに関する情報をぎゅっとまとめたムック本です。手前味噌ながら、こうしたPHP最新事情がまとまった書籍は少ないので、ざっくりと知るには良い本だと思います。
いまどきのPHPが分かる「PHPエンジニア養成読本」が出ます
PHP逆引きレシピ 第2版
PHP 逆引きレシピが、現在のPHP事情に合わせた内容となり、第2版として出版されました。
圧倒的なボリュームで、用途ごとに簡単な解説とコードの具体例が記載されており、実際に開発する際に手元に置いておくと参考になりそうです。
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